2020年1月18日、長野より預りの
ヤマハ11ストップ リードオルガン

製造番号は177211 推定1923年製
関東大震災の頃である。

最期は小学校で使われていたものを
廃棄されると聞き、引き取った
ものだという。

直るものなら直して、美術館に寄贈して
多くの人々に弾いてもらいたい、という
依頼である。

現状:
・鍵盤蓋が無くなっている
・風袋空気漏れ、演奏不可能
・装飾各部に欠損あり
・白鍵のみ貼り替え跡あり

鍵盤蓋が無い状態、、、
新しく作るか、似た機種から流用するか、
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白鍵のみ貼り替え跡あり。妙に真っ白なのが
気になる人もいるかもしれないが、
これはこれで悪くは無いと思う。
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無くなっている装飾
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接着が剥がれた部品を現代のプラスネジで
堂々とネジ止めした箇所。目立つので、
接着はきちんとやり直して穴を塞ぐか、
あるいは似た機種からこの部分を流用する。
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鍵穴の金具は欠損して、
鍵穴の下部に何か金具をつけて
外した跡がある、
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陽が当たってない部分に残る
このオルガンの元の色。

赤みの強い小豆色、
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なんと!、ほぼ同じ機種を廃棄用として持っていた。
製造番号214299 今回修理予定の機種とほぼ同じ。
おそらく1928年頃のもの。見た目はキレイだが
内部の痛みは激しく、修復困難な一台で、
解体も大変なのでどうにも出来ず困っていたが、
役に立つ時が来た。このオルガンの蓋や、
その他の部品を流用して、今回修理のオルガンに
使うことにした。
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