教会
某教会の控室に何十年も
眠っていた、というか、
隅っこに片付けられて
忘れられていたリードオルガン
おなじみ、ヤマハ11ストップ!
昨年検品に出張して、
ネズミの害で音が出なくなった
というので見てみると、そうではない。
経年変化で風袋がパリパリに
破れてしまっていた、、、
その後電話などで相談して、
お見積を
何度か書き換え、いちばん安い
方法でなんとかすることに、、
それは、現場で分解して、風袋と
鍵盤部分を持ち帰り、風袋は張替え、
鍵盤なストップは分解掃除して、
リードは全部抜いて掃除して、
後日再び現場で組立てて、そこで
調律する、というもの。
この内容だと、
弾いた時のガタガタ感など
気になるものの、
調律と風袋張替えという二大作業を
することで、とにかく「楽器」として
蘇る、、、
分解の日、この機種に多い外装の
剥がれは、後日組立て時に目立たなく
するために着色することにした。
教会での、現場での、
リードオルガン組立、
そして214枚のリード調律。
ペダル部分は、オルガンを
ひっくり返してつける。
40セントも下がっている
リードもあって、それは、
恐らく購入当時から
結構調律が狂っていたの
かなぁと思われる。
-
つまり、、、
何十年もの間、ちゃんと
鳴ったことがなかった
教会のオルガン、、、
調律が合ってしまうと、
素晴らしい響きの
楽器として蘇ってしまった。
ストップの効果がハッキリ
分かるように直って
しまったため、
それを、実際に音を
出しながら説明して
わかってもらうところまでが
私の仕事、、、
例によって「実演」を
して、より多くの方々に
リードオルガンに興味を
持って欲しいと画策、、
6月9日、日曜日の
1130〜に
この教会の礼拝後、
久しぶりの「実演」を
断行して、ストップ付き
オルガンの魅力を
余すところなく
お伝えしたい、という
そういうことになりました。
教会などで今も多数
現役で使われている
ヤマハの11ストップ
リードオルガン5号型
今回のは1971年製、
現場で分解して、
要所を直して、また
現場で組み立てて
調律する物語、、、
何もかも直すことが
難しい場合、分解掃除、
袋張替え、調律、の
三大セットがオススメ。
袋は以前直したことが
ある、と言われて
見てみると、古い袋を
覆うように上貼りされた
応急処置的なものだった。
あからさまな上貼り
接着剤もニカワを使って
ないので、ペロッと剥がれて
しまう。
なぜ、その時のヒトは
ちゃんと直さなかった
かというと、
「面倒くさかった」
からである。
その一語に尽きる。
リードオルガンの袋張替え
は、特に、剥がすのが大変!
だから、それをやらずに
何とか済ませたい、と思う
ヒトが多いらしい、、、
直す方はちゃんと直して
なくて、依頼した方は
ちゃんと直ったんだ、と
信じている、、、
昭和末〜ヘーセー始め頃の
リードオルガン修理は
そういうのが非常に多い。
-
何十年かに一度の修理の
チャンスなので、上貼り
なんちゃって修理跡と、
元々の48年前の袋と、
両方を剥がしてから、
新しい袋をニカワで張る。
手間ひまかかって面倒な
作業だけれど、ほんの
数日で終わるので、
火星往復するのに比べたら
全然簡単なことである、、、
閉鎖された教会から
オルガンを運び出す物語、
既に何年も前に閉鎖されて
会堂はこんな雰囲気
狭い階段を上った2階へ、
このスペースを少し片付けて
外装を分解して
倒して風袋を外し、
外に運び出す。
入れた時は運送屋さんが
窓から入れたと思う、、
私の場合は、
現場で分解して
下ろすというやり方。
一年に何度か、
こんな手間ひま、がある。
他にも、使わない机などを頂いた。
別棟2階にもオルガンが
あるというので見せてもらった
急な階段を上ると
学校用デスクオルガンが積んであった
これは引取出来ない、、、
「お勢登場」の長持のような
箱がいくつもあった、、、
教会員への伝達書類入れを頂いた
教会などで現役で使われて
いるオルガンを半日くらいで
何とかなりませんか?
という場合の作業は、
分解掃除と、調律。
新幹線で出張!って
特別な事かと思ったら
やまびこ車内は結構
混んでいた。
日本の大動脈は、
ちゃんと濃い熱い血が
流れてるのだと実感、、
-
昭和32年のオルガン
既に60年経っている。
半日でチョチョっと
何とかなる筈もない
のだけど、何とかする!
風袋もほころび、板も
割れが入り、これを
何とかするには、人間に
例えると長期の入院と
大掛かりな手術が必要。
木を埋めて、それ以上割れが
開かないように当て木をした。
クスリを飲んでとりあえず
痛みを抑えましょう、、、
みたいなものだけど、
それでも掃除と調律と
応急処置で何とかする。
あぁ、良くなった!
と感じてもらえるくらい
の作業が出来た。
特に「調律」は重要!
ちゃんと直すには、
抜本的な修理が必要だけど、
全然伸びてないし切るとこ
無いかなあ、と思っても
床屋に行けば、それなりに
サッパリするように、
とりあえずその場で出来る
ことをして、何かしら
効果が出ていれば、
それでも良いと思う。
2009年、修理オルガン、春日部市の教会のオルガンで、1928(昭和3)年製造、9ストップ付、YAMAHAオルガン。音色は非常に柔らかく、しかも大きなオルガンなので、音量がある。教会に納品後「再生オルガン記念礼拝」に参加した。教会の高い天井の空間に、オルガンの音色が、広がるように響き渡った。所要4ヶ月、内部の「木」はことごとく割れており、かなり補修、補強を施した。塗装は昭和初期のオルガンと同じ「セラックニス」。教会からの要望で「燭台」を新規製作した。本体と同じサクラ材使用で、同時代の同型機種の燭台を参考にした。残念ながらピッチが438Hzなので、ピアノと合わせることは出来ない。とりあえず、1928年のオルガンと、1989年のピアノ、61歳違いの「ツーショット」
ピアノ&オルガン修理調律
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