ピアノ調律師「才気堂」

「才気堂」とは、古い楽器を「再起動」するという意味です。 あらゆるピアノ、リードオルガン等鍵盤楽器を修理再生&調律します。

リードオルガン

オルガン倉庫が片付いて


既に殆どのオルガンの
移動が終わった倉庫、、
あと一台残っているIMG_0603

ドア付近の虫喰い、腐食が激しい
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手前の台部分は解体して
倉庫部分の上屋を作り直す予定。
土台部分も虫喰いがあるので
少し作り直す必要がアリそうだ、、
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ジョイフル本田で売ってた、
簡単組立の倉庫、、
9年経って、いよいよダメになった
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明るくするために一部透明な壁に
したり、それなりに「夢」を
カタチにしていた、、
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最後に出した一台、、
ユニオンオルガン49鍵、
合板製の外装が風化している
楽器部分だけ活かして
構造が見えるオルガンとして
作り直す、という気力もないなぁ、、
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外装は合板製だが
楽器部分は無垢材でできている。
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オルガン倉庫を移動

腐敗と汚職で
木がボロボロになり
土台もアリに食われた
オルガン倉庫、、、

ココの上部分を作り直し、
木材置き場に改造する。
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とりあえず中にあったオルガンは
一台ずつ出して運び出す。
既に手前の台部分は腐っていて
重いオルガンが乗るとビシビシっと
崩れそうな感じにへこむ、、、
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これまで自転車などを入れていた
ココにとりあえずオルガンを
詰め込む、、、
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既に入っていた二台を奥に詰めて
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順次オルガンを入れていく。
雨漏りするので一台ずつ
ビニールをかぶせる。
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古い倉庫から出てきた棚。
秩父の解体予定の
古い教会からもらった。
上の仕切りを取って
本棚として使えそう、、
その改造の手間が中々面倒なんだなぁ
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教会のオルガン 中身だけ直して、、

ヤマハ11ストップオルガン
風袋張替えと、リード、ストップの
掃除をして、現場で組み立てる

この機種に多い、外装のツキ板が
ペロペロ剥がれてしまっているのを
接着し直して、それを押さえておく
治具を作った。
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風袋組み立て時に、こうして支えて
接着する。もたれかかり治具
〜押さえと君〜  と命名!
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風袋を組み込み、ペダル紐を付けて
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調律は、全リード214枚!
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ぜえんぶ終わって、試奏していると、
鍵盤が下がったままの空鳴りが!
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そういう時は、も一度ぜえんぶ
ネジを外して分解して、響板を
外して調べてみる。
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ソ、の音のバルブに、木のかけらが
ついていた、、、
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トホホな作業を繰り返し、
この教会にリードオルガンの
響きが蘇った、、、

教会のオルガン、中身だけ直す その3

ヤマハ11ストップオルガン
この機種に良くある故障が
ストップが効かなくなるというもの

内部の革部品が切れてしまうため
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ココは、牛革で部品を作って
交換しておく、、
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バルブ(鍵盤下の空気の弁)は交換
しないが、この機種に良くある
症状で、黒い粒、リードから出た
緑青の粒がバルブに挟まって、
空鳴りすることがある、
バルブは一個ずつ外して、
ゴミなどが挟まっていないか
ブラシで掃除する、、、
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リードに吹き出してくる緑青、
コレはリード蓋に貼ってある
ヤギ革の影響でそうなるらしい、
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堅固過ぎてなかなか抜けないリード
は専用の自作工具を使って、
てこの力で外していく、、
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殆ど使われない
エアリアンハープのリード、
二列あって数も多く非常に手間が
かかるが、キチンと調整、調律すると
コレはコレで良いものである、、
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何と!製造年は1961年!
必要最小限の修理ではなく、
何もかも全部直すのが、望ましい、
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リードは214枚、、
ぜえんぶ外して、リベットを叩き、
汚れを落として、出し入れしやすい
ように両サイドだけ磨いておく、、
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教会のオルガン、中身だけ直す!その2

預かってきた風袋、
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裂け目から向こうが見える、
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剥がす前に、途方にくれる、、、
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弁の革もホロホロ鳥、、、
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レコードをかけまくりながら
「剥がす」作業は深夜まで続いた、、
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教会のオルガン、中身だけ直す!その1

某教会の控室に何十年も
眠っていた、というか、
隅っこに片付けられて
忘れられていたリードオルガン

おなじみ、ヤマハ11ストップ!

昨年検品に出張して、
ネズミの害で音が出なくなった
というので見てみると、そうではない。
経年変化で風袋がパリパリに
破れてしまっていた、、、

その後電話などで相談して、
お見積を
何度か書き換え、いちばん安い
方法でなんとかすることに、、

それは、現場で分解して、風袋と
鍵盤部分を持ち帰り、風袋は張替え、
鍵盤なストップは分解掃除して、
リードは全部抜いて掃除して、
後日再び現場で組立てて、そこで
調律する、というもの。

この内容だと、
弾いた時のガタガタ感など
気になるものの、
調律と風袋張替えという二大作業を
することで、とにかく「楽器」として
蘇る、、、

分解の日、この機種に多い外装の
剥がれは、後日組立て時に目立たなく
するために着色することにした。
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まず、裏板を外す。
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屋根板と、鍵盤蓋を外す。
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ストップを外す
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鍵盤、響板部分、つまりアクション
全体を外して、それは持ち帰る
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棚板と風袋を外す
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風袋と棚板、、
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大袋の破れたところ、

コレは、ネズミの害などではなく、
経年変化で素材が劣化している、
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昭和40年頃のものだが、
ここまで劣化しているのは
なかなかない、、、
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劣化して、カリカリになり、
パリッと割れて
しまっている、、、
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1924年製ヤマハ11 ストップオルガン 袋張り

風袋の板の修理に結構手間が
かかったが、いよいよ袋張り

まずは、新しい蝶番をつけて、
袋がすんなり張れる位置
ねじ止めする

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大袋のヒンジ部分内側。
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ココのラバークロスは、
なかなか付けにくい。
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大袋を張る。
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小袋準備。
小袋の内側には厚紙が
貼ってある。
これを予め作っておく。
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カタチに決まりはない。
とりあえず元の形状をまねて作る。
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大袋を張る。
私の場合、張ってから、
余った部分を切り落とす。
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翌日、小袋を張る
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風袋のバルブ、ヤギ革製。
この機種のように8枚使う
大型の袋張りでは、使う革も
大量になる、、、
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ペダルを踏みすぎたとき
空気を逃す、安全弁。
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すり減ってガタが出ていた
ペダルローラーの軸受けは
新たに作り直した。
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1924年製 YAMAHA 11 ストップオルガン 袋はがし

本来なら、濡れ雑巾を当てて
アイロンで温めていくと
古いラバークロスは、すんなり
はがれるのだが、頑固に堅固に
貼りついたものは、そんな生易しい
ことではビクともしない。

そんな時は、水を吹きかけて
アイロンを直に当てる!
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当然ながら、アイロンに溶けた
ゴムが、異臭を放って焼き付く!
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濡らしては剥がし、の繰り返し。
このオルガンの風袋は、特に
ニカワがしっかり付いていたので、
バカバカしいくらい手間ひまが
かかった。
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どうにも剥がれないところは、
慌てず、焦らず、水を吹きかけて
濡れ雑巾を乗せて一晩置くと
翌日すんなりはがれる、、
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こんな感じで一晩置く。
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剥がした後の、大袋の板、、
湿らせたせいか、ものすごく
反ってしまっている、、、
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1924年製 YAMAHA 11 ストップオルガン 風袋張替え 〜古い風袋剥がし〜

コレが、リードオルガンの風袋
一見、一度張り替えたように
見えるが、、、
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実は、古い風袋を完全に剥がさずに
上貼りしてあるだけ。
ラバークロスの上にラバークロスは
接着出来ないので、これでは
空気が漏れてしまう。
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棚板の継ぎ目に貼ってあるラバークロス
板の狂いを防ぐために、隙間を開けた
部分があり、そこを塞ぐように
貼ってある。貼り替えるには、
古いラバークロスを剥がさなければ
ならないが、それが、ものすごく
大変!!、古いニカワは強固すぎて
全然剥がれないのである。

だから、面倒くさがって、
ちゃんと剥がさずに上貼りしてしまう
ヒトがいるのである、、、
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普通は濡れ雑巾を当ててアイロンで
熱して剥がすのだが、
堅固なものは、直接アイロンを
当ててしまう!!!!
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当然、アイロンに溶けたゴムがくっつく。
イヤな臭いもする、、、
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上貼りでごまかそうとした跡、、

誰かがテキトーに処置した跡を
取り去る手間が大変!!
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上貼りした部分、ちゃんとくっついて
いないので、スルスルと剥がれて
しまう、、、
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Packard Organ ペダルリニューアル

Packard Organ (右)の
ペダルの雑音が気になるので
直すことにした。
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ギーギー鳴る雑音は、
風袋と、その下の棒との
摩擦だった。ねじ止めして解消。

他に、ペダルの蝶番のガタから、
カタカタした雑音が出ていたので、
分解して直すことに。
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蝶番と軸の隙間でカタカタ鳴る。
分解して、軸を作り直すことにした。
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ついでに、どうでもいいモノが
貼られていたペダル板表面を剥がし、
花柄の高級絨毯に替えることにした。

元々製造時は、模様の入った絨毯が
貼られていたはずである。
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接着剤のニカワをことごとく剥がす。
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ペダル蝶番の軸を作り直す。
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ペダル表面には、こんな感じの絨毯を
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雑音もおさまり、見た目もキレイに
なって、気分も爽快、、、!
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1924年製ヤマハ11 ストップオルガン修理物語その9

外装再塗装、、着色、

カシューで塗る場合は、
着色なしでも充分色が付くが、
全体に深みを持たせるために、
着色しておく。

桜材の場合、赤系の顔料で
着色する。
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古いオルガンを塗り直す場合、
その色加減は、元々の色を参考に
する。日に当たっていない部分に
元の色が残っている。

経年変化で茶色っぽくなる
オルガンが多いので、オルガンは
茶色!、と思っている方が多い
かもしれないが、桜材のオルガン
は元来恥ずかしいくらい派手な
真っ赤な色をしていた跡がある。
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細かい装飾部品も着色。
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側板の装飾
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柱の装飾
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左、着色後
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新規製作の燭台は、
新しい木なので、どうしても
本体よりは明るめになってしまう。
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夜、着色した部材に、
カシューを刷毛塗り。

1度目の塗りは、捨て塗り。
木理の目止めとして塗るので、
乾燥したら殆ど研いでしまう。
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柱の重厚感、ツヤ感は、
カシューによって一層引き立つ
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柱、、
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装飾部品
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1924年製ヤマハ11 ストップオルガン修理物語その8

外装の塗装剥がし

剥離剤を使って剥がすのだが、
すんなり剥がれるものではなく、
刃物でじわじわと剥がす、、、
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重厚な側板は、特に面倒
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剥がした旧塗料、、
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側板、塗装剥離前と、剥離後
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ペダルの軸が外れず、
半日徒労、、

結局、軸は中で錆びて外れないので
外さずに、位置をずらして
穴を開け直すことにした。
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塗装を剥がし終わった外装は、
改めて細かい取り残しを掻き取り、
全体にヤスリがけしておく
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今回のオルガンは、
装飾も多く、部品点数が
バカ多い、、、徒労ついでに
並べて写真を撮った、、
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夜、改めて細かい部品の
隙間の掻き残しを刃物で
取り除く、、
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会津藩藩医の家のオルガン

以前直した、
1918年製造の、
第九號型山葉風琴。
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納品時、持ち主の方が、このオルガンは、会津藩の藩医をしていた先祖のもので、、、と話していたのを思い出し、改めて詳しく教えていただいた。以下、引用文。


、、、、、はい、その通りです。
わたしの母の実家は会津なんです。
しかも代々、会津藩の藩医の家系です。
いま話題の松平容保の診察にも登城したはずです。
戊申戦争にも従軍したらしいです。
当時、容保公から下賜されたという白薩摩焼きの抹茶茶碗が
我が家に無造作に置かれておりますし、時々使ってもいます。

明治になって藩医の仕事もおわったのですが、いもま医師の家系です。
母の祖父は東京帝大医学部を出た人で、会津市内に耳鼻科医院を開業しました。
この人が、愛娘(母の叔母にあたる)に買ってやったオルガンなんです。
当時、関西で1台、東京で1台、仙台で1台、発売されたものを
広告が出たその瞬間にどうしても欲しくなって、仙台の楽器店に予約したと聞いています。
叔母は、お姫様のように育てられた人で、
身の回りの世話をする彼女専属の付き人(ねえや)がいたそうですよ。
優秀な人でもあり、女子医専を出て眼科医になりました。

叔母は、やや不幸な結婚をしたせいもあって
オルガンなどを持たずにひっそりと嫁ぎました。
オルガンは長いこと忘れられて土蔵に放置されており、
私や兄が幼いころには、ほこりまみれの上、雑多なものが乗せられていました。
物載せ台のようになっていたので、当初わたしも楽器とはおもわず、
あの左右の燭台の上に腰を掛けたりしながら、兄とかくれんぼしていました。
中学生になったころにようやく、これはオルガンだっ! と気づき慌て、
祖母に頼み込んで 「私が大人になったらオルガンを頂戴。たいせつにするから。」 と
貰い受ける約束をしたというわけです。
それから、修復してちゃんと設置できるまでにもさらに長い年月が必要でしたが、、、、



実際にオルガンを購入したのは、藩医の次の代らしい。今年で百ニ歳。このオルガンは、その間、戦前〜戦後、沢山の人に弾かれ、忘れられ、そして今は、相変わらず楽器として生き続けている。

1924年製ヤマハ11 ストップオルガン修理物語その7

徒歩で10分、トホホで15分、、、

古いリードオルガン修理で
最も重要で、しかも
誰もこんなことしてない? ので
誰にもこのトホホ感が分かって
もらえないという孤独な作業、

再塗装するためには
古い塗膜を完全に剥がす
必要があり、先日の剥離剤は
全然用を成さないものだったので
別の剥離剤で再度挑戦!
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木の肌が完全に出るまで、
徹底的に塗膜を剥がす。
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剥がれてこないところは
再び剥離剤を付けて剥がす
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剥離剤を付けると、すんなり
ポロポロ剥がれるかというと、
実は全然そうではない!
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刃物を当てて、
ジリジリと剥がしていく、、
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素敵な飾りの脚、
1本剥がすのに、
2時間近く費やしてしまう、、
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左、敢然剥離後、、
右、これから剥がすもの、、、
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元の脚は、しっかり着色されてから
塗装されていたのがわかる。
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1924年製ヤマハ11 ストップオルガン修理物語その6

再塗装をするためには、
古い塗膜を全部剥がす
必要がある。

剥離剤でもなかなか
剥がれないので、
今回の塗装は、
辛く虚しい作業になりそう、、

ちょっと塗って
擦ったくらいでは、
全然剥がれない、、
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ドバッと垂らしてみた
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何となく剥がれてきた、、、
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このオルガンは、
部品点数もメチャ多いので、
出口の見えない長い長い
トンネルをトホホで
トボトボ歩くことになりそう、、




1924年製ヤマハ11 ストップリードオルガン修理物語 その5

このオルガンには元々付いて
いなかった「燭台」を
依頼により新規製作。

出来れば古いオルガンから
取った板で作りたかったが、
燭台の円盤部分は結構大きく
取る必要があるため、

結局何台か解体したオルガン
からは板が取れず、新しい
樺の板から作ることにした。

オルガン本体は桜材だが、
樺は桜に似ているので
代替材として使える。

まずは、コンパスで丸を描く
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ジグソーで切り出す
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高級オルガンの燭台は、
部品が3点仕様!
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木工旋盤で皿の部分を削る
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模様も刻んで、、、
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大正時代のヤマハオルガンの
燭台をコピー
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皿の部分を削り終えたところ
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山葉7ストップオルガンを解体

燭台を作るために、
材料の板が取れないものかと、
古いオルガンを解体してみる。
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インスタ映えしそうな雰囲気?
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このオルガンは、元々は
真っ赤な色のオルガン、、、

日に当たってない部分に
元の色が残っている。
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風袋のバルブをプラ板で直した跡、
ペダルひもを絨毯で直した跡、、
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ここまでバラすのに半日、、
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解体してみたものの、
燭台に使える大きさの板は
取れないことがわかった、、
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トホホな1日、、、
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Farrand&Votey ReedOrgan 1891 調整その2

製造番号26193
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リードオルガンアトラスによると
デトロイトでほんの数十年だけ
作っていたメーカーで、
創意工夫、特許も多く、
堅牢で高級なオルガンを
作っていた、、、
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アクションのみを預かり、
分解掃除、、
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鍵盤土台が割れていたので接着
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カプラーは、前に直した(?)ヒトが
テキトーに釘で止めていたため
正常に機能しなくなっていた。
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仕方ないので、釘を数カ所
ネジに交換して、しっかり
動くようにした。

本来なら、ヒンジとして
ラバークロスで貼るものである。
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リードを全部外して、
リベットを打ち直す。
黄味が強いのは、銅の
割合が多い真鍮だから。
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白鍵の剥がれたところは、
こうして貼り直す。
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風袋のほころびを
柔らかい革でふさぐ。

風袋は、張り替えるのが
一番良いのだが、
とりあえずこうしてふさぐだけでも
ちょっと空気もちが良くなる。
ただしこの方法は、効果が
長続きせず、またここから
剥がれて漏れたりする。
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調整、調律完了。
3月22日、私も参加して
ここで演奏会開催予定。
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調整後の動画、「ひき潮」



Farrand&Votey ReedOrgan 1891 調整その1

上尾市、聖学院教会にある
Farrand&Votey リードオルガン

製造番号26193 推定1891年製

20年くらい前に、教会の
名物にしようと購入されたらしい。
が、1度演奏会をしただけで
あとはそのまま、楽器として
使われることなく時間が過ぎて
いったという、、

今回、このオルガンを楽器として
弾けるように復活させて、
教会の行事などで使っていきたい、
という依頼で、予め検品した結果、
風袋は何とか使えそうなので、
分解掃除と調律をすることにした。
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鍵盤の上全体がパカッと開くのが
このメーカーの特徴
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裏側。奥行きは意外にスリム。
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デトロイトでほんの数十年だけ
花開いたリードオルガンの
メーカー、、
各部の作りはよく出来ていて、
かなりの高級品だったと思われる。
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1891当時では、超ハイテク素材
だったはずの「セルロイド」

129年の時を経て、剥がれたり
しているものの、一枚も割れていない
反ったところは貼り直す。
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ずっと回らなかった
Vox Humana、
プロペラが剥がれて
引っかかるので回らない。
貼り直せば回ると思う。
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倒して、風袋の状態を検査。
小さなほころびがあるので
若干空気漏れがある。
本来の素材「ラバークロス」
ではなくテント用のビニール
みたいなものが使われているため
早く寿命がきてしまっている。
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ペダルの位置が低いために
これまでずっと、
「弾きにくいオルガン」として
敬遠されてきたらしい。
ペダルの高さを上げようと
見てみたら、何と、ペダルのヒモを
調節出来る機能が付いていた!
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大袋、小袋ともに、折り目に
ほころびがある。
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1924年製ヤマハ11ストップ リードオルガン修理物語 その4

響板まで外したところ
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スエルのロッドは、アルミで
手作りされていた!

これも同型機種から部品を
取って使う、、、
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風袋を外したところ
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所々に残る「元の色」
鮮烈な赤!
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ペダルの蝶番は、ドア用の
デカいものに換えられていた。
本来の構造に戻す必要がある。
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リードオルガンの修理で
最も大変なのが「分解」である。

ねじ頭が潰れていたり、
サビが酷すぎてどんなに
力を入れてもウンともスンとも
言わない強固なネジ、、、

それでも力を入れて回そうと
するとドライバーが欠けてしまう。
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同型機種のペダル二種、
木の欠けの少ない方を使う。
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側板を外したところ。
この機種は、装飾が多い、、
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再塗装するためには、
外せるところはことごとく
分解する。
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ここまでバラバラに、、、
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明治の山葉オルガンを解体

引取った時から、
修復困難だった、
製造番号80000台の
山葉オルガン、、

恐らく1905年(明治38)頃のもの

本体は桜材で、ちょうど
修理中の大型オルガンに
燭台を付けなければならない為、
その材料が取れるかもしれない。

一念発起して、解体することにした。
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このくらいのオルガンの解体は、
1日では終わらない、、、

何故なら、ネジが錆びすぎて、
木部と同化して回らないため、
一つ一つ、いちいち外すのに
トホホな手間がかかるからである。

外に放置していたので、
塗装が剥げているが、、
このオルガンは元々は
「真っ赤」な色をしていた。
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裏から見ると、桜材の
非常に美しい木目の部分を
使っている。モヤモヤっと
雲のような模様が出るのが
美しい桜材である。
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鍵盤からの伝達は、
後のピットマンシャンクではなく、
ネジ式で鍵盤高さを調整出来る
ような進取の構造になっている!

さすが、明治の職人!
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バルブを下げる部分は、
金属ワイヤー製
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鍵盤、響板を外したところ
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ひとつ外すごとに、
バカバカしいくらいの
手間がかかる、、、
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どうしても外せないねじは、
アタマごとドリルで削ってしまう。
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ちょうど真ん中に穴をあけるのは
物凄く難しい、、、
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ここまで削ってしまう、、
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抜けないネジ、折れたネジも、
とりあえずぜえんぶはずす、、、
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側板を背中合わせにすると、
「山」のカタチになる、、、
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こちらは同型機種の側板。
次回解体予定のもの。

背中合わせにすると富士山の
カタチになるので
「富士山型」と呼ばれる。
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今回解体のオルガンの側板は
きれいに接ぎ直して、
机か棚にする予定。

燭台に使えそうな板は、
結局取れなかった、、、
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1924年製 ヤマハ11ストップ リードオルガン修理物語 その3

今回、このオルガンを直すために
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このオルガンを解体して
部品を幾つか流用する
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ペダルに付けられた鉄のプレートも
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こちらの方が摩耗が少ないので
コレを使う。
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何もかも寄せ集めるのではなく、
あくまでも本体は活かす。
小学校に置かれていたという
オルガンなので、側板の角が
丸く削れているが(左側)
右の、減りの少ない方に交換せず
あくまで本体は左側からなるべく
使う、、、
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解体しているとあらわれる
「元の塗色」、
鮮やかな赤いオルガン!
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お客様からの依頼で元々無かった
燭台を付けることになった。
同時代の似た機種のデザインを
コピーして作る。
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燭台は、3つの部品からなる
高級仕様!

知り合いの調律師から
木工旋盤を借りてきた。
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柱に付いていた筈の丸い飾り、
8個必要なのに3個しかない。

コレも木工旋盤で作り直す。
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1924年製 ヤマハ11ストップ リードオルガン修理物語 その2

製造番号211299
推定1928年製 
このオルガンを解体して、
今回修理の177211に使う。

まずは、明るいところで
よく見てみた。
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このオルガンは、本来は、赤いオルガンである。
雑巾で濡らしてみると、小豆色に光って見えた。
(下の丸柱だけは濡らしていない、違いがわかる)
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丸柱も拭いて全体を濡らしてみたところ、
IMG_4070
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屋内に入れていよいよ解体しようと
思いつつ、なかなかできない場面、、、
面倒なのと、よくよく考えないと、と 
思うのとで、逡巡躊躇する。

古い楽器の修理は、かふいふ「座視」してる
時間がとっても長い、、、
IMG_4100

直すべき楽器、、、

2つある膝ペダルの左側が
欠損している、
IMG_4104

1924年製 ヤマハ11ストップ リードオルガン修理物語 その1

2020年1月18日、長野より預りの
ヤマハ11ストップ リードオルガン

製造番号は177211 推定1923年製
関東大震災の頃である。

最期は小学校で使われていたものを
廃棄されると聞き、引き取った
ものだという。

直るものなら直して、美術館に寄贈して
多くの人々に弾いてもらいたい、という
依頼である。

現状:
・鍵盤蓋が無くなっている
・風袋空気漏れ、演奏不可能
・装飾各部に欠損あり
・白鍵のみ貼り替え跡あり

鍵盤蓋が無い状態、、、
新しく作るか、似た機種から流用するか、
IMG_4016

白鍵のみ貼り替え跡あり。妙に真っ白なのが
気になる人もいるかもしれないが、
これはこれで悪くは無いと思う。
IMG_4018

無くなっている装飾
IMG_4017

接着が剥がれた部品を現代のプラスネジで
堂々とネジ止めした箇所。目立つので、
接着はきちんとやり直して穴を塞ぐか、
あるいは似た機種からこの部分を流用する。
IMG_4032
IMG_4026

鍵穴の金具は欠損して、
鍵穴の下部に何か金具をつけて
外した跡がある、
IMG_4031

陽が当たってない部分に残る
このオルガンの元の色。

赤みの強い小豆色、
IMG_4020


なんと!、ほぼ同じ機種を廃棄用として持っていた。
製造番号214299 今回修理予定の機種とほぼ同じ。
おそらく1928年頃のもの。見た目はキレイだが
内部の痛みは激しく、修復困難な一台で、
解体も大変なのでどうにも出来ず困っていたが、
役に立つ時が来た。このオルガンの蓋や、
その他の部品を流用して、今回修理のオルガンに
使うことにした。
IMG_4054

1894年製 Chicago Cottage Organ ペダルひも修理

1894年製
Chicago Cottage Organ 社製
リードオルガン 

これまでに
風袋張替え、棚板再製作、
をして何とか弾けるように
したものの、ペダルひもが
切れてしまい演奏不可能に
なってしまった、、
IMG_0818

ペダルが片方下がったままに
なるのは、ペダルひもが切れて
いるからである。
IMG_0819

切れているのは左側の
ひもだが、今回は、左右とも
新しく付け替える。
IMG_0820

分解すると分かること、、

このオルガンは、古びて
焦げ茶色に見えるが、元々
赤い色をしたオルガンだった。
IMG_0821

分解の難しいオルガンは、
寝かせて手術する。

人間と同じように、、、
IMG_0822

元々のひも(1番右、126年前?)に
重ねて後から別のひもがつけられて
左側は重ねた二枚が1度に切れて
しまった。
IMG_0826

ペダルの部分だけ外す、、
FullSizeRender

126年生きてる間には、
語り尽くせない色んなことが
あった、、、何度か修理された
跡を見て、昔日に思いを馳せる、、
IMG_0828

作業していると、ペダルの
左の板が割れていることが発覚!

それも再接着した。

古い楽器を直し始めると、
あっちも、こっちも、気になる
ところを直すことになる、、、
IMG_0832

ペダルひもの留め具も新製して
スッキリ!サッパリ!
IMG_0834

このオルガンは北米特有の
高いピッチで、元々は452Hz
あたりだったようですが、
全体に少し下がっていたので、

昨年12月の演奏会で使用の前に
急遽443〜444Hz前後に
ザッと合わせました。

こうすることで、
現代で生きることが
出来るのです。

腹話術師


けんちゃん、との邂逅

リードオルガンの
調整に伺って、

終わってからご主人が
「私の相棒に会って下さい」
と連れてきたのが

けんちゃん、、だ。
IMG_9174


-

これまで
鳴かず飛ばずの
人生を半世紀も
続けてしまったが、

そろそろ、ここらで
俺は「腹話術師」に
なるべきなのでは?

と思うくらい
「ピンとくる」
ものを感じた、、、

オルガンは元々館林教会に 
あったものを移送、
ヤマハ5号だけど特注Cスケール
IMG_9175

いちばん高い4フィートCのリード
IMG_9176

館林教会にあった頃に
ストップ連結の革も交換してある。
IMG_9177


リードオルガン分解

リードオルガン 
分解実演会

すんなり終了
IMG_6333

終わってから
1920年製の
山葉拾參號風琴
体験会、、、
IMG_6334

1905年製、山葉風琴

最後に調律をして
修理完了、、、
IMG_5430


終ってしまって
残念、、、

1905年(明治38)年製
山葉風琴、第五號。
IMG_5429


恐らく現在の値段に
して55万円位の物だが、
この風格、高級感は
「もっと高そう」
IMG_5427

ぢつわ、見た目もすごいけど
音出すと、もっとスゴいんです、
IMG_5428


納品までの試奏の
嵐に、乞うご期待!

オルガンのペダル描き、最終日

リードオルガンの
ペダル描き物語
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最終日、もう一息、、
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元のペダルは、こんなかんじ、
IMG_5387

1番最期の、黒、
細い線を入れるのが難しい。
IMG_5390


ちょっと違う所もアルカポネ
だけど、大体似てるから、
まぁ、良んぢゃねん?
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手は忙しいけど
アタマがヒマなので、
サタデーナイトビーバー
堂々二枚組とか全部
聴き終えてしまう。
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2枚目は、どうでもいい曲や
映画では使ってねんぢゃね?
的な陽の目を見ない曲ばかり
だが、ペダル描きには、
次々とかかるダンシング
ミュージックは、結構
合うかもしれない。
IMG_5392

ベビーオルガン修理まもなく完了

長かったオルガンの
修理もそろそろ終着駅、

昔、長距離の列車に
乗ったりすると、途中で
退屈になり、憧れて
せっかく乗れたのに
早く着かないかなあ、
などど思ったりして、
しかし終着駅が近づくと
旅が終わってしまうのが
残念に思えたりした
ものである。

ベビーオルガンによくある
譜面台の金具の修理、
軸の部分だけ新製して、
しっかり直せてしまった。
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ペダルも実は、表面の
模様だけでなく、ペダル板
も新製してある。
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少し音を鳴らしてみた
感じでは、ものすごく
哀しい侘しい、
安倍総理に聴かせたら
国民中心政治に
国政大転換するんじゃ
ないかと危惧するくらい

切ない「泪の音色」が
誰でも気軽に出せてしまう
楽器のようだ、、、

明後日完成予定、、、、、
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