ピアノ調律師「才気堂」

「才気堂」とは、古い楽器を「再起動」するという意味です。 あらゆるピアノ、リードオルガン等鍵盤楽器を修理再生&調律します。

オルガン修理法

教会のオルガン 中身だけ直して、、

ヤマハ11ストップオルガン
風袋張替えと、リード、ストップの
掃除をして、現場で組み立てる

この機種に多い、外装のツキ板が
ペロペロ剥がれてしまっているのを
接着し直して、それを押さえておく
治具を作った。
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風袋組み立て時に、こうして支えて
接着する。もたれかかり治具
〜押さえと君〜  と命名!
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風袋を組み込み、ペダル紐を付けて
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調律は、全リード214枚!
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ぜえんぶ終わって、試奏していると、
鍵盤が下がったままの空鳴りが!
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そういう時は、も一度ぜえんぶ
ネジを外して分解して、響板を
外して調べてみる。
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ソ、の音のバルブに、木のかけらが
ついていた、、、
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トホホな作業を繰り返し、
この教会にリードオルガンの
響きが蘇った、、、

教会のオルガン、中身だけ直す その3

ヤマハ11ストップオルガン
この機種に良くある故障が
ストップが効かなくなるというもの

内部の革部品が切れてしまうため
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ココは、牛革で部品を作って
交換しておく、、
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バルブ(鍵盤下の空気の弁)は交換
しないが、この機種に良くある
症状で、黒い粒、リードから出た
緑青の粒がバルブに挟まって、
空鳴りすることがある、
バルブは一個ずつ外して、
ゴミなどが挟まっていないか
ブラシで掃除する、、、
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リードに吹き出してくる緑青、
コレはリード蓋に貼ってある
ヤギ革の影響でそうなるらしい、
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堅固過ぎてなかなか抜けないリード
は専用の自作工具を使って、
てこの力で外していく、、
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殆ど使われない
エアリアンハープのリード、
二列あって数も多く非常に手間が
かかるが、キチンと調整、調律すると
コレはコレで良いものである、、
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何と!製造年は1961年!
必要最小限の修理ではなく、
何もかも全部直すのが、望ましい、
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リードは214枚、、
ぜえんぶ外して、リベットを叩き、
汚れを落として、出し入れしやすい
ように両サイドだけ磨いておく、、
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教会のオルガン、中身だけ直す!その2

預かってきた風袋、
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裂け目から向こうが見える、
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剥がす前に、途方にくれる、、、
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弁の革もホロホロ鳥、、、
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レコードをかけまくりながら
「剥がす」作業は深夜まで続いた、、
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教会のオルガン、中身だけ直す!その1

某教会の控室に何十年も
眠っていた、というか、
隅っこに片付けられて
忘れられていたリードオルガン

おなじみ、ヤマハ11ストップ!

昨年検品に出張して、
ネズミの害で音が出なくなった
というので見てみると、そうではない。
経年変化で風袋がパリパリに
破れてしまっていた、、、

その後電話などで相談して、
お見積を
何度か書き換え、いちばん安い
方法でなんとかすることに、、

それは、現場で分解して、風袋と
鍵盤部分を持ち帰り、風袋は張替え、
鍵盤なストップは分解掃除して、
リードは全部抜いて掃除して、
後日再び現場で組立てて、そこで
調律する、というもの。

この内容だと、
弾いた時のガタガタ感など
気になるものの、
調律と風袋張替えという二大作業を
することで、とにかく「楽器」として
蘇る、、、

分解の日、この機種に多い外装の
剥がれは、後日組立て時に目立たなく
するために着色することにした。
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まず、裏板を外す。
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屋根板と、鍵盤蓋を外す。
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ストップを外す
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鍵盤、響板部分、つまりアクション
全体を外して、それは持ち帰る
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棚板と風袋を外す
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風袋と棚板、、
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大袋の破れたところ、

コレは、ネズミの害などではなく、
経年変化で素材が劣化している、
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昭和40年頃のものだが、
ここまで劣化しているのは
なかなかない、、、
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劣化して、カリカリになり、
パリッと割れて
しまっている、、、
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1924年製ヤマハ11 ストップオルガン 袋張り

風袋の板の修理に結構手間が
かかったが、いよいよ袋張り

まずは、新しい蝶番をつけて、
袋がすんなり張れる位置
ねじ止めする

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大袋のヒンジ部分内側。
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ココのラバークロスは、
なかなか付けにくい。
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大袋を張る。
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小袋準備。
小袋の内側には厚紙が
貼ってある。
これを予め作っておく。
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カタチに決まりはない。
とりあえず元の形状をまねて作る。
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大袋を張る。
私の場合、張ってから、
余った部分を切り落とす。
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翌日、小袋を張る
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風袋のバルブ、ヤギ革製。
この機種のように8枚使う
大型の袋張りでは、使う革も
大量になる、、、
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ペダルを踏みすぎたとき
空気を逃す、安全弁。
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すり減ってガタが出ていた
ペダルローラーの軸受けは
新たに作り直した。
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1924年製 YAMAHA 11 ストップオルガン 袋はがし

本来なら、濡れ雑巾を当てて
アイロンで温めていくと
古いラバークロスは、すんなり
はがれるのだが、頑固に堅固に
貼りついたものは、そんな生易しい
ことではビクともしない。

そんな時は、水を吹きかけて
アイロンを直に当てる!
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当然ながら、アイロンに溶けた
ゴムが、異臭を放って焼き付く!
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濡らしては剥がし、の繰り返し。
このオルガンの風袋は、特に
ニカワがしっかり付いていたので、
バカバカしいくらい手間ひまが
かかった。
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どうにも剥がれないところは、
慌てず、焦らず、水を吹きかけて
濡れ雑巾を乗せて一晩置くと
翌日すんなりはがれる、、
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こんな感じで一晩置く。
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剥がした後の、大袋の板、、
湿らせたせいか、ものすごく
反ってしまっている、、、
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1924年製 YAMAHA 11 ストップオルガン 風袋張替え 〜古い風袋剥がし〜

コレが、リードオルガンの風袋
一見、一度張り替えたように
見えるが、、、
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実は、古い風袋を完全に剥がさずに
上貼りしてあるだけ。
ラバークロスの上にラバークロスは
接着出来ないので、これでは
空気が漏れてしまう。
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棚板の継ぎ目に貼ってあるラバークロス
板の狂いを防ぐために、隙間を開けた
部分があり、そこを塞ぐように
貼ってある。貼り替えるには、
古いラバークロスを剥がさなければ
ならないが、それが、ものすごく
大変!!、古いニカワは強固すぎて
全然剥がれないのである。

だから、面倒くさがって、
ちゃんと剥がさずに上貼りしてしまう
ヒトがいるのである、、、
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普通は濡れ雑巾を当ててアイロンで
熱して剥がすのだが、
堅固なものは、直接アイロンを
当ててしまう!!!!
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当然、アイロンに溶けたゴムがくっつく。
イヤな臭いもする、、、
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上貼りでごまかそうとした跡、、

誰かがテキトーに処置した跡を
取り去る手間が大変!!
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上貼りした部分、ちゃんとくっついて
いないので、スルスルと剥がれて
しまう、、、
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Packard Organ ペダルリニューアル

Packard Organ (右)の
ペダルの雑音が気になるので
直すことにした。
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ギーギー鳴る雑音は、
風袋と、その下の棒との
摩擦だった。ねじ止めして解消。

他に、ペダルの蝶番のガタから、
カタカタした雑音が出ていたので、
分解して直すことに。
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蝶番と軸の隙間でカタカタ鳴る。
分解して、軸を作り直すことにした。
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ついでに、どうでもいいモノが
貼られていたペダル板表面を剥がし、
花柄の高級絨毯に替えることにした。

元々製造時は、模様の入った絨毯が
貼られていたはずである。
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接着剤のニカワをことごとく剥がす。
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ペダル蝶番の軸を作り直す。
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ペダル表面には、こんな感じの絨毯を
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雑音もおさまり、見た目もキレイに
なって、気分も爽快、、、!
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1924年製ヤマハ11 ストップオルガン修理物語その9

外装再塗装、、着色、

カシューで塗る場合は、
着色なしでも充分色が付くが、
全体に深みを持たせるために、
着色しておく。

桜材の場合、赤系の顔料で
着色する。
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古いオルガンを塗り直す場合、
その色加減は、元々の色を参考に
する。日に当たっていない部分に
元の色が残っている。

経年変化で茶色っぽくなる
オルガンが多いので、オルガンは
茶色!、と思っている方が多い
かもしれないが、桜材のオルガン
は元来恥ずかしいくらい派手な
真っ赤な色をしていた跡がある。
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細かい装飾部品も着色。
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側板の装飾
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柱の装飾
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左、着色後
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新規製作の燭台は、
新しい木なので、どうしても
本体よりは明るめになってしまう。
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夜、着色した部材に、
カシューを刷毛塗り。

1度目の塗りは、捨て塗り。
木理の目止めとして塗るので、
乾燥したら殆ど研いでしまう。
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柱の重厚感、ツヤ感は、
カシューによって一層引き立つ
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柱、、
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装飾部品
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1924年製ヤマハ11 ストップオルガン修理物語その8

外装の塗装剥がし

剥離剤を使って剥がすのだが、
すんなり剥がれるものではなく、
刃物でじわじわと剥がす、、、
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重厚な側板は、特に面倒
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剥がした旧塗料、、
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側板、塗装剥離前と、剥離後
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ペダルの軸が外れず、
半日徒労、、

結局、軸は中で錆びて外れないので
外さずに、位置をずらして
穴を開け直すことにした。
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塗装を剥がし終わった外装は、
改めて細かい取り残しを掻き取り、
全体にヤスリがけしておく
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今回のオルガンは、
装飾も多く、部品点数が
バカ多い、、、徒労ついでに
並べて写真を撮った、、
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夜、改めて細かい部品の
隙間の掻き残しを刃物で
取り除く、、
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1924年製ヤマハ11 ストップオルガン修理物語その7

徒歩で10分、トホホで15分、、、

古いリードオルガン修理で
最も重要で、しかも
誰もこんなことしてない? ので
誰にもこのトホホ感が分かって
もらえないという孤独な作業、

再塗装するためには
古い塗膜を完全に剥がす
必要があり、先日の剥離剤は
全然用を成さないものだったので
別の剥離剤で再度挑戦!
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木の肌が完全に出るまで、
徹底的に塗膜を剥がす。
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剥がれてこないところは
再び剥離剤を付けて剥がす
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剥離剤を付けると、すんなり
ポロポロ剥がれるかというと、
実は全然そうではない!
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刃物を当てて、
ジリジリと剥がしていく、、
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素敵な飾りの脚、
1本剥がすのに、
2時間近く費やしてしまう、、
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左、敢然剥離後、、
右、これから剥がすもの、、、
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元の脚は、しっかり着色されてから
塗装されていたのがわかる。
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1924年製ヤマハ11 ストップオルガン修理物語その6

再塗装をするためには、
古い塗膜を全部剥がす
必要がある。

剥離剤でもなかなか
剥がれないので、
今回の塗装は、
辛く虚しい作業になりそう、、

ちょっと塗って
擦ったくらいでは、
全然剥がれない、、
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ドバッと垂らしてみた
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何となく剥がれてきた、、、
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このオルガンは、
部品点数もメチャ多いので、
出口の見えない長い長い
トンネルをトホホで
トボトボ歩くことになりそう、、




Farrand&Votey ReedOrgan 1891 調整その2

製造番号26193
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リードオルガンアトラスによると
デトロイトでほんの数十年だけ
作っていたメーカーで、
創意工夫、特許も多く、
堅牢で高級なオルガンを
作っていた、、、
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アクションのみを預かり、
分解掃除、、
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鍵盤土台が割れていたので接着
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カプラーは、前に直した(?)ヒトが
テキトーに釘で止めていたため
正常に機能しなくなっていた。
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仕方ないので、釘を数カ所
ネジに交換して、しっかり
動くようにした。

本来なら、ヒンジとして
ラバークロスで貼るものである。
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リードを全部外して、
リベットを打ち直す。
黄味が強いのは、銅の
割合が多い真鍮だから。
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白鍵の剥がれたところは、
こうして貼り直す。
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風袋のほころびを
柔らかい革でふさぐ。

風袋は、張り替えるのが
一番良いのだが、
とりあえずこうしてふさぐだけでも
ちょっと空気もちが良くなる。
ただしこの方法は、効果が
長続きせず、またここから
剥がれて漏れたりする。
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調整、調律完了。
3月22日、私も参加して
ここで演奏会開催予定。
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調整後の動画、「ひき潮」



Farrand&Votey ReedOrgan 1891 調整その1

上尾市、聖学院教会にある
Farrand&Votey リードオルガン

製造番号26193 推定1891年製

20年くらい前に、教会の
名物にしようと購入されたらしい。
が、1度演奏会をしただけで
あとはそのまま、楽器として
使われることなく時間が過ぎて
いったという、、

今回、このオルガンを楽器として
弾けるように復活させて、
教会の行事などで使っていきたい、
という依頼で、予め検品した結果、
風袋は何とか使えそうなので、
分解掃除と調律をすることにした。
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鍵盤の上全体がパカッと開くのが
このメーカーの特徴
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裏側。奥行きは意外にスリム。
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デトロイトでほんの数十年だけ
花開いたリードオルガンの
メーカー、、
各部の作りはよく出来ていて、
かなりの高級品だったと思われる。
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1891当時では、超ハイテク素材
だったはずの「セルロイド」

129年の時を経て、剥がれたり
しているものの、一枚も割れていない
反ったところは貼り直す。
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ずっと回らなかった
Vox Humana、
プロペラが剥がれて
引っかかるので回らない。
貼り直せば回ると思う。
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倒して、風袋の状態を検査。
小さなほころびがあるので
若干空気漏れがある。
本来の素材「ラバークロス」
ではなくテント用のビニール
みたいなものが使われているため
早く寿命がきてしまっている。
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ペダルの位置が低いために
これまでずっと、
「弾きにくいオルガン」として
敬遠されてきたらしい。
ペダルの高さを上げようと
見てみたら、何と、ペダルのヒモを
調節出来る機能が付いていた!
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大袋、小袋ともに、折り目に
ほころびがある。
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1924年製ヤマハ11ストップ リードオルガン修理物語 その4

響板まで外したところ
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スエルのロッドは、アルミで
手作りされていた!

これも同型機種から部品を
取って使う、、、
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風袋を外したところ
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所々に残る「元の色」
鮮烈な赤!
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ペダルの蝶番は、ドア用の
デカいものに換えられていた。
本来の構造に戻す必要がある。
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リードオルガンの修理で
最も大変なのが「分解」である。

ねじ頭が潰れていたり、
サビが酷すぎてどんなに
力を入れてもウンともスンとも
言わない強固なネジ、、、

それでも力を入れて回そうと
するとドライバーが欠けてしまう。
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同型機種のペダル二種、
木の欠けの少ない方を使う。
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側板を外したところ。
この機種は、装飾が多い、、
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再塗装するためには、
外せるところはことごとく
分解する。
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ここまでバラバラに、、、
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1924年製 ヤマハ11ストップ リードオルガン修理物語 その3

今回、このオルガンを直すために
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このオルガンを解体して
部品を幾つか流用する
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ペダルに付けられた鉄のプレートも
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こちらの方が摩耗が少ないので
コレを使う。
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何もかも寄せ集めるのではなく、
あくまでも本体は活かす。
小学校に置かれていたという
オルガンなので、側板の角が
丸く削れているが(左側)
右の、減りの少ない方に交換せず
あくまで本体は左側からなるべく
使う、、、
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解体しているとあらわれる
「元の塗色」、
鮮やかな赤いオルガン!
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お客様からの依頼で元々無かった
燭台を付けることになった。
同時代の似た機種のデザインを
コピーして作る。
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燭台は、3つの部品からなる
高級仕様!

知り合いの調律師から
木工旋盤を借りてきた。
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柱に付いていた筈の丸い飾り、
8個必要なのに3個しかない。

コレも木工旋盤で作り直す。
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1924年製 ヤマハ11ストップ リードオルガン修理物語 その2

製造番号211299
推定1928年製 
このオルガンを解体して、
今回修理の177211に使う。

まずは、明るいところで
よく見てみた。
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このオルガンは、本来は、赤いオルガンである。
雑巾で濡らしてみると、小豆色に光って見えた。
(下の丸柱だけは濡らしていない、違いがわかる)
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丸柱も拭いて全体を濡らしてみたところ、
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屋内に入れていよいよ解体しようと
思いつつ、なかなかできない場面、、、
面倒なのと、よくよく考えないと、と 
思うのとで、逡巡躊躇する。

古い楽器の修理は、かふいふ「座視」してる
時間がとっても長い、、、
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直すべき楽器、、、

2つある膝ペダルの左側が
欠損している、
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1924年製 ヤマハ11ストップ リードオルガン修理物語 その1

2020年1月18日、長野より預りの
ヤマハ11ストップ リードオルガン

製造番号は177211 推定1923年製
関東大震災の頃である。

最期は小学校で使われていたものを
廃棄されると聞き、引き取った
ものだという。

直るものなら直して、美術館に寄贈して
多くの人々に弾いてもらいたい、という
依頼である。

現状:
・鍵盤蓋が無くなっている
・風袋空気漏れ、演奏不可能
・装飾各部に欠損あり
・白鍵のみ貼り替え跡あり

鍵盤蓋が無い状態、、、
新しく作るか、似た機種から流用するか、
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白鍵のみ貼り替え跡あり。妙に真っ白なのが
気になる人もいるかもしれないが、
これはこれで悪くは無いと思う。
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無くなっている装飾
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接着が剥がれた部品を現代のプラスネジで
堂々とネジ止めした箇所。目立つので、
接着はきちんとやり直して穴を塞ぐか、
あるいは似た機種からこの部分を流用する。
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鍵穴の金具は欠損して、
鍵穴の下部に何か金具をつけて
外した跡がある、
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陽が当たってない部分に残る
このオルガンの元の色。

赤みの強い小豆色、
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なんと!、ほぼ同じ機種を廃棄用として持っていた。
製造番号214299 今回修理予定の機種とほぼ同じ。
おそらく1928年頃のもの。見た目はキレイだが
内部の痛みは激しく、修復困難な一台で、
解体も大変なのでどうにも出来ず困っていたが、
役に立つ時が来た。このオルガンの蓋や、
その他の部品を流用して、今回修理のオルガンに
使うことにした。
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1894年製 Chicago Cottage Organ ペダルひも修理

1894年製
Chicago Cottage Organ 社製
リードオルガン 

これまでに
風袋張替え、棚板再製作、
をして何とか弾けるように
したものの、ペダルひもが
切れてしまい演奏不可能に
なってしまった、、
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ペダルが片方下がったままに
なるのは、ペダルひもが切れて
いるからである。
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切れているのは左側の
ひもだが、今回は、左右とも
新しく付け替える。
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分解すると分かること、、

このオルガンは、古びて
焦げ茶色に見えるが、元々
赤い色をしたオルガンだった。
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分解の難しいオルガンは、
寝かせて手術する。

人間と同じように、、、
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元々のひも(1番右、126年前?)に
重ねて後から別のひもがつけられて
左側は重ねた二枚が1度に切れて
しまった。
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ペダルの部分だけ外す、、
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126年生きてる間には、
語り尽くせない色んなことが
あった、、、何度か修理された
跡を見て、昔日に思いを馳せる、、
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作業していると、ペダルの
左の板が割れていることが発覚!

それも再接着した。

古い楽器を直し始めると、
あっちも、こっちも、気になる
ところを直すことになる、、、
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ペダルひもの留め具も新製して
スッキリ!サッパリ!
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このオルガンは北米特有の
高いピッチで、元々は452Hz
あたりだったようですが、
全体に少し下がっていたので、

昨年12月の演奏会で使用の前に
急遽443〜444Hz前後に
ザッと合わせました。

こうすることで、
現代で生きることが
出来るのです。

腹話術師


けんちゃん、との邂逅

リードオルガンの
調整に伺って、

終わってからご主人が
「私の相棒に会って下さい」
と連れてきたのが

けんちゃん、、だ。
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-

これまで
鳴かず飛ばずの
人生を半世紀も
続けてしまったが、

そろそろ、ここらで
俺は「腹話術師」に
なるべきなのでは?

と思うくらい
「ピンとくる」
ものを感じた、、、

オルガンは元々館林教会に 
あったものを移送、
ヤマハ5号だけど特注Cスケール
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いちばん高い4フィートCのリード
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館林教会にあった頃に
ストップ連結の革も交換してある。
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リードオルガン分解

リードオルガン 
分解実演会

すんなり終了
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終わってから
1920年製の
山葉拾參號風琴
体験会、、、
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オルガンのペダル描き、最終日

リードオルガンの
ペダル描き物語
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最終日、もう一息、、
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元のペダルは、こんなかんじ、
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1番最期の、黒、
細い線を入れるのが難しい。
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ちょっと違う所もアルカポネ
だけど、大体似てるから、
まぁ、良んぢゃねん?
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手は忙しいけど
アタマがヒマなので、
サタデーナイトビーバー
堂々二枚組とか全部
聴き終えてしまう。
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2枚目は、どうでもいい曲や
映画では使ってねんぢゃね?
的な陽の目を見ない曲ばかり
だが、ペダル描きには、
次々とかかるダンシング
ミュージックは、結構
合うかもしれない。
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ベビーオルガン修理まもなく完了

長かったオルガンの
修理もそろそろ終着駅、

昔、長距離の列車に
乗ったりすると、途中で
退屈になり、憧れて
せっかく乗れたのに
早く着かないかなあ、
などど思ったりして、
しかし終着駅が近づくと
旅が終わってしまうのが
残念に思えたりした
ものである。

ベビーオルガンによくある
譜面台の金具の修理、
軸の部分だけ新製して、
しっかり直せてしまった。
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ペダルも実は、表面の
模様だけでなく、ペダル板
も新製してある。
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少し音を鳴らしてみた
感じでは、ものすごく
哀しい侘しい、
安倍総理に聴かせたら
国民中心政治に
国政大転換するんじゃ
ないかと危惧するくらい

切ない「泪の音色」が
誰でも気軽に出せてしまう
楽器のようだ、、、

明後日完成予定、、、、、

ベビーオルガンのペダル描き、その3

第3話「滴水穿石」

ベビーオルガン
(足踏み式オルガン)
のペダル描き、
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唐草模様は、元の模様を
見ながらフリーハンド!
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この塗料は乾くのに
24時間かかるので、
以前は1日1色ずつ
描いていた。が、
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今は、乾いてない所に
触らないよう注意して、
3色くらい描く、、、
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手は忙しいけど、
アタマがヒマなので、
ハードオフで買ってきた
歌謡ちゃんぽんレコードを
続けざまに何枚もかける。
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伊勢佐木町ブルースは、
「Ah、、!、Ah、、!」
の部分だけ殊更に
オトナの女性が熱唱して
いるけど歌のない演奏。
コレを見てカラオケ的に
歌うものらしい。
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いい湯だな、は、
元々内気だったけど子供3人
産んで逞しく生きるうちに
性格が変わったママ仲間、
「プラス思考母ちゃんズ」
的なグループの
最大音量で、ラリってる
どうにも止まらない快演!
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本人歌唱の歌が入って
いたりして、ホントに
ごちゃまぜ、、、

7枚あるけど、本来は
10枚組なので、あと
3枚も見つけたいなぁと、
何となく思う、、、

ベビーオルガン、ペダル描き、その2

オルガンのペダル描き
第2話「行雲流水」
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昨夜の黄色がようよう
乾いた頃、2色目の
赤を描く、、、
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ボテッと塗るには
塗料をたっぷり含ませた
筆でゆっくりゆっくり
描く、、
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アタマがヒマなので
ハードオフで買って
しまった、世界の
音楽全集みたいなヤツを
延々とかける、、、
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この手のレコードは、
見開きになっていて
何故か異国の成人女性
(ちゃんと服着た状態)
が横たわっている豪華な
写真が大きく載っている
ものが多い、のは、
何故だろう?
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古代の石窟の壁画なども
意味のわからないものが
多いが、この、レコードの
見開きの横たわり女性の
写真も、すでに、考古学の
ナゾの一つとして、今後
研究が進むことを願う、、
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シャンソン名曲集は、
アコーディオン中心の
少人数演奏で、秀逸!
繰り返し、何度も聴きたい
名盤をGETできた、、、

オルガンのペダル描き、その1

オルガンのペダル描き
第1話「輪郭下書編」

古いオルガンの
模様のあるペダルは
どうやって直すのかというと

模様のついたものを
買ってきて
「ペタっ」と貼れば良い
のではなく、

どこにも売っていないので
自分で描くことになる。

オルガンを完全に
直したい!

と思うヒトは多いけれど、
こういう作業があるから
なかなかみんな
やりたがらない、、、

出来上がってしまうと
何でもないことだけど
これから描く!、、
のは、何とも
トホホな気分、、、
IMG_4747


一体どうやって描くの?
という疑問、、
IMG_4748


こうやって描くのです、、
IMG_4749


アタマがヒマなので
ハードオフで買った
昔の繁華街や商店街
でひたすら流れていた
ような歌謡曲ごちゃまぜな 
レコードを何枚もかける。

船頭小唄マニアの私は、
石原裕次郎の船頭小唄
聴きたさに、この一枚を
108円も出して買ってしまった。
IMG_4750


石原裕次郎も船頭小唄が
好きで、歌の前に、
「何でこんな歌が
        いいのかって?
      まぁいいじゃないですか」
と、石原裕次郎らしい
解説が入っている。
IMG_4751

1905年製ヤマハベビーオルガン、外装塗装、、目止め

木工塗装で最も重要な作業

「目止め」

目止め作業は、物凄く
重要な作業だけど、
非常に面倒なので、
DIYに慣れた方でも、
なかなかやらない作業
かもしれない。
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木理が黒く出るように
試行錯誤の連続である。
IMG_4685


ニントモカントモ
にんにんでござるよ、、

ベビーオルガンの再塗装。その1

ベビーオルガンの
塗装、、

オルガンの敢然修理は
その大部分が塗装である。
コレは何十年も経った状態
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右は塗膜を剥がして木の素地まで
出した状態、、
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全ての部材、全ての塗膜を剥がして
木の素地から塗装をやり直す。
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剥離剤をかけて、刃物で
はぎ取る、、
IMG_4639

そして、塗装作業は
剥がして、素地を作る
ことで明け暮れる。

元の塗装を徹底的に
剥がす理由は、
美しい木目が
クッキリと出てくるから。
IMG_4640


コレをやると、物凄く
面倒な作業になるけど、
古い楽器の古い木の
美しい木目を際立たせる
塗装をするには、
こうするしかない。
IMG_4641
IMG_4642


古い塗膜が木目をぼかして
いたものを剥がしてみると、
雄壮な猛々しい木目が
出てくる、、、
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これから、
全体にヤスリをかけて
木工塗装で最も重要な
「目止め」作業をして、
小豆のような渋い
赤色に着色して、、

そこまで出来たら、
もう終わったようなもの。

中塗りや上塗りの前の
作業が、ニントモカントモ
にんにんでござる、、!

ベビーオルガンの塗装その1

ベビーオルガンの
再塗装、、、

現状は、濁った茶色
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陽が当たってない所に
残っている
元の色は、真っ赤に近い
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表裏の比較
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これから古い塗膜を
剥がしていく、、、

ベビーオルガン袋張り

ベビーオルガンの袋はり
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小さいオルガンは、
人気があるけど、
修理の手間は大きな
オルガンと同じなので
直す立場の人は、
「こんなものやってらんない」
という気持ちとの戦い
かもしれない。
IMG_4476


小さいからといって
バカにせず、バカ正直に
直していくと、
思いがけず素晴らしい
楽器として蘇ると思う。

例によって、手は忙しい
けどアタマがヒマ、、
IMG_4474


大量に貰ったレコード
から、シルヴィバルタン星人
のを聴いてみる、、、

名前は聞いたことが
あったけど、誰コレ?状態
IMG_4473


シャンソン・イエ・イエの女王
とは?
IMG_4472

内容は、電気オルガンが
流行り始めた頃の
アナロギーな
1968サウンド、、、!
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