オルガンの修理で最も手間ひま
のかかるのが塗装である。

外装は美しい木目の木で
出来ているので塗り直すと
それはそれは綺麗に蘇る。

が、しかし、

最も費用に差が出るのも
塗装を行うか否か、による。

今回預かりのオルガンは、
陽に焼けて塗装がかなり
剥げてしまったもので

製造より50年近く経っているので
中身の消耗部品をことごとく
修理する。

塗装は、しなくていい、、
ということで受けた修理だが、

塗装しなくても良い、という
場合でも、できるだけ手間を
かけずに、時間をかけずに、
何となく小綺麗になるように
工程を省略した塗装を行う。

50年に一度の修理を終えた
オルガンが戻ってきた時、
見た目もちょっと綺麗になって
いた方が
「あぁ、修理して良かったなぁ」
と思われるから。

しかし、ところがどっこい!

簡単に、ざっと、ほどほどに
小綺麗にする、というのは
実は至難の技である。

省略しても綺麗に出来るのなら
ちゃんと手間ひまかける塗装
など必要ない。

とりあえず、塗装の剥げた所は
素地まで研いで着色から
やり直し、そうでない無事な
箇所は汚れを落として中塗りから
やり直す。

塗装、は、木の地肌が見えて
いる所からやり直すのは、
実は、ものすごく大変、だけど

コレは必要なサービス。

image
image