松本清張は、自分の生いたちの
ことは殆ど書いて
いない作家らしいが、それでも
断片的にそれを垣間見る
ことの出来る話があり、
それを集めたのがこの短編集。

松本清張が大好きらしい
宮部みゆきは、松本清張の作品の
紹介にも積極的で、解説も詳しい。

「ウチは普通じゃないよなぁ」
「他所の家族は良いなあ」
などと思いながら暗く味気ない
幼少期を送ってきた人は、
実は沢山いるのかもしれない。

つげ義春、の漫画のように、
抗いがたい泥流が滔々と流れて
遠い遠い岸辺にたどり着いて
ホッとしたいのに、ひたすら
もがいて沈まないように
あがき続けるような、

それでいて休日も平日もなく
その殆どが徒労に終わる
出口のないトンネルのような
虚しい日々を、とりあえず
歩き続けなければならない

諦めの日々、、

それは、多分、多くの人にとって
非常に懐かしい憧憬のようなもの、

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