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352b040e.JPG2008年3月に修理完了して、神戸の六甲山のオルゴール博物館「ホールオブホールズ六甲」に納品したピアノ。1868年頃、イタリア「MARTELETTI」社製。
自動演奏ピアノの最も古い形態のもので、巨大なシリンダーのような筒(バレル=樽)にオルゴールのように無数のピンが植えられており、このピンがハンマーを弾いて音を出す。バレルを微妙に左右にずらす仕組みで10曲演奏出来る。レコードもCDも無い時代、憧れの楽器ピアノを手に入れても「弾き手」がいない事には「音楽」は始まらない。たった10曲だけど、自動で鳴るということは楽器的だったに違いない。オルゴールに比べてピアノは、何よりも「音量」が出る! コインを入れて、1曲踊る、みたいな使われ方だったようだ。バレルは取り外し可能で、他の曲が入ったバレルと交換する事もできる。ただ、大きなバレルを「交換」するのは非常に面倒そうだ。何万曲もポケットに入れて持ち運べる時代、だからこそ、このような大袈裟な装置で鳴る「自動の」楽器が新鮮に見える。